ミサワインターナショナルのHABITAで有名な200年住宅。
数十年前から三澤千代治さん(MISAWA・international 株式会社代表取締役社長)が中心となって政治家と200年住宅の長年研究されており、家そのものの耐久性の向上・より長期にわたってあらゆる世代に対応した高い居住性能を持つこと、そして高い資産価値を維持の実現などがその研究の中核を成しています。
近年、政府もその普及の重要性を感じ、「超長期優良住宅」という名称でバックアップしていく方向が打ち出されました。「超長期優良住宅」が公に使用されることになった現在でも200年住宅という言葉はそのまま超長期優良住宅を表す言葉になってしまっています。
200年住宅とは家屋そのものの性能の向上だけを示すのではなく、日本人の住宅に対する運用方法をもう一度見直すことによって住環境を向上させようとする取り組みでで。
法整備が追い付いていない現状はあるものの、住居のプロである多くのハウスメーカーがこぞって200年住宅に興味を示している点からもその実現性が現実のものになろうとしています。
日本では従来建物より土地に価値を置き、それ故に多少耐久性を失っても建物を比較的低コストで建築できるものが建てられる傾向にあります。
このため、家の資産価値は25年程度で限りなくゼロに近いものになっていました。だが、これが本当に家主様のためになっていたのでしょうか?
初期のコストを多少高くしても限りなくメンテナンス性を高め、複数の所有者に所有される前提で長期的に使用される家を建てることができれば、建物そのものが価値を持ち、複数の所有者がローンを継承できるとすれば、より長期のローンが設定できるため、金利をたくさん払ったとしても1度のローンの支払額は下がります。
一つの家を一つの家族が代々受け継ぐことで、各家族ごとの住宅新築の初期投資を抑えたり、家族がこれまで培ってきた歴史もまた継承することができます。例えば、おじいちゃんやお母さんが身長を測るためにつけた子供の頃につけたキズなどその家に刻まれた歴史が、子供たちを含めた家族にとって実家に対する愛着を生み、資産価値だけではない、付加価値をもたらすでしょう。
超長期優良住宅は一般的に躯体を構成する建材に対してのコストは従来のものに比べれば2倍ほど高くなります。逆に言えば、これまでの家は耐久性の基礎となる骨組のコストを抑えていたということです。
「建材費が倍」というのは一見高く感じるかもしれませんが、家一軒建てる際の躯体を構成する材料費は家屋全体の価格からすればほんの一部です。そういった意味では初期投資の、しかも家の長期使用の要となる躯体の材料費に投資することで、家そのものの価値は上がることを結果的に家主様の利益につながります。そして前述のようなローン体系が実現すればランニングコストが抑えられる。長期的に見れば家の資産価値と耐久性は向上します。
日本の家屋の耐久性が落ちたのは、戦後から現在に至る時期に建てられたものです。戦後から高度成長期にかけては住宅供給が急務だったため、耐久性よりむしろ供給スピードが求められたことがその原因だと思われます。
それ以前に建てられた木造家屋で2,300年という長期に渡って存在しているものはたくさんあります。もちろんその中に現在使用されている家屋もあります。そういった木造家屋は日本にある材木で構成されており、それら日本の気候にあった素材でできた家が日本の気候においても長期的にその姿を維持することが可能なのはむしろ自然なことだと言えます。