株式会社スクエアプラス 木下社長にきく。すべてはお客様のために。(全2ページ 2/2)

原点は雪山での熱々コーヒー。

スクエアプラスが店舗設計を行うきっかけとなったのは?

誰でもそうでしょうけれど、最初は店舗設計をした事なかったわけです。
しかし、学生時代のある体験からやったことのないことに挑戦していく土台はできていたんです。

大学生の時に、スキーをするためにスキー場で住み込みのバイトしていたんですが、正月の忙しい時期などはスキーせずに働いていたんですね。
その時、そのバイト先のオーナーは列をなしてゴンドラ待ちしている人に熱々コーヒーを売りたかったらしく、僕以外のバイトに売りに行かせていたんです。
でもバイトと言ってもみんな高校生なんで売り方もわかりませんよね?(笑)盆に温かいコーヒーをのせてお客さんの前に行くんですが、ただお客さんの前で黙ってコーヒーを持っているだけ。お客さんからも何の反応もなく、すぐコーヒーは冷めてしまって全く売れなかったらしく、それでオーナーが激怒してバイトが9人くらい連続してクビになってしまったんです。

堺市内 S様邸
大阪市内 S様邸

それで、残りの居候していた僕にその役が回ってきました。
僕も物販の経験はなかったんです。なのに"9人やっても売れなかったものを俺に売れと言うのか"と思いましたよ。(笑)
でも吹っ切れたんでしょうね。
ちょうどゴンドラの行列の前に店があったので、やけくそで勢いよく扉を開けて
「みなさーん!!ここに皆さんが今欲しい熱い熱いコーヒーが入りましたよ!そこのおとうさん!寒いですね!!」
ってやり始めたんですよ。
「今僕が94度のお湯で入れたコーヒーが今あなたの胸に届きます!」とずっとやっていたんですが、やっぱり一日目は売れませんでした。

でもそれだけしゃべってやっているんで、翌日も同じようにコーヒーの販売をやっていると、お客さんも宿泊しているので覚えてくれていたんでしょうね。「にいちゃん、買うよ。おいで。」と言ってくれる人が現れました。雪山の自販機のコーヒーなんて150円くらいするでしょ?だから最初のお客さんが1度100円のコーヒーを買った瞬間からワラワラとコーヒーを買ってくれる人が現れ出したんです。

しかし結果的にこのコーヒー販売はオーナーの「悪いんだけど、やめてくれないか?」という言葉で終わってしまいました。
僕が「え?!何でですか?こんなに売れているのに。」ときくと周りのお店から「ウチの自販機のコーヒーが売れない」というクレームが入ったらしいんですよ。(笑)

●大切なのは扉を開ける瞬間の気持ち。

ポイントは初めてコーヒーを売りに出る際に扉を力いっぱい開けたところにあると思います。あの時勢いよく飛び出さなければ、僕は外に出た瞬間声が出なかったでしょう。

何か新しいことに挑戦する時には着地の時に骨折してもいいから、その扉の向こうにある溝を飛び越えることができるくらい力一杯ジャンプする気持ちが大切だと思うんです。

店舗設計だけでなく住宅設計だって最初は経験がなかったんです。 でも、大切なのは困難を乗り越える確固たる気持ちであって、お客様と向き合ってお客様の望むものを作ることに全力で取り組む方が、知識や固定観念ありきで取り組むより良いものができるんじゃないでしょうか? 逆にこういった気持ちや取り組む姿勢がなければ依頼主が本当に求めているものを作れないでしょう。大事なのは小手先の技術じゃなくて依頼主の気持ちを本当に実現したいと思う気持ちやエネルギーなんです。

M様邸
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